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スタッフインタビュー #02

音楽・下村 陽子さん

「まほなれ」の依頼を受けて、最初の印象はいかがでしたか?

下村

タイトルがまずインパクトがありますよね。本当なら「魔法使い」は憧れの存在。魔法が使えて、何でもできて……というパーフェクトなイメージがあると思うんですけど、この作品はものすごく身近。パーフェクトじゃなくて、うまくいかないことがあっても元気で頑張っていく、可愛らしい女の子の人間くささがあって。そのうまくいかない感じがすごく印象に残っています。ダメなんだけれども、それでも周りの仲間に恵まれたり、楽しいこともあったりして。「一回ダメだったからって、そこで終わっちゃいけないんだよ」というメッセージがありますよね。

作曲を進める上で意識されたことはありますか

下村

私に発注をいただいたということは、ベタな路線がいいのかな?と思ったんです。いただいた「こういう音楽がいい」というコメントを参考に、オシャレというよりは、ベタに人の気持ちに寄り添えるような音楽がいいんじゃないかなと作っていきました。

ここは注目して聴いてほしい、という箇所が
あれば教えてください

下村

難しいんですけど……やっぱり第一話の冒頭のアバン部分ですかね。コンテに合わせて秒単位で考えました。普段はアニメじゃなくてゲームの音楽が多いので、PVに合わせることはあるんですけど、コンテに合わせて「これが何コマあるから何秒くらいで……」と計算して書き出して作ることはなかなかないので、私自身も勉強になりました。変わっていくんだけれども、曲としては繋がっていないといけない。それが工夫の見せどころでもあって、大変だけど作っていて楽しかったです。

音楽収録時のエピソードはなにかありますか

下村

今回音楽制作をイマジンさんでお世話になって。イマジンさんも「本当に上がってくるのか!?」とご心配されたと思うんですけど、とにかく「やっとこの日が迎えられた!!!」という喜びがすごく大きくて、喜びのレコーディングでした(笑)。
アレンジャーの松尾早人さん、原口 大さんにはレコーディングにも立ち会っていただいたんですけど、お2人とも本当に音楽的な才能もすばらしいんですけど、お人柄もすばらしくて。こんなに私が無理をお願いしたのに現場では非常ににこやかで、たくさん助けていただいたし、ご一緒できてとてもよかったです。
普段私が作る曲は激しいバトルに合わせた曲が多いんですが、今回は重い曲は少なめで、音楽的にものびやかにできました。「ちょっとやらかしちゃった!」みたいな曲もあります(笑)。

作中に推しキャラはいますか?

下村

普通に考えたら主人公のクルミちゃんなんですけど……私、実は二番手キャラを推しにしがちで(笑)。放映を見たらまた印象が変わるかもしれません。

最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします!

下村

すごく絵も可愛らしくて、ヒロインも可愛らしいんですけど、その中に大人に向けたメッセージもあります。「挫折を知っててもいいのよ」とか、可愛いだけじゃなくて心に刺さるお話になっていると思うので、音楽もそこに寄り添えれば、と思って作りました。作品と一緒に楽曲も楽しんでいただけたら嬉しいです!

アレンジャーのお2人と、収録を終えての1コマ
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